社会私論

周期論

東洋には干支説の影響で六十年を単位とする文明の周期説がある。 一方世紀単位で時代を考える西洋=キリスト教圏では五十年周期説があるらしい。 これは全く根拠のない話だのだろうか? 六十年乃至五十年というのは世代にしてほぼ三代に当たる。 良くある話…

進歩の思想と伝統の思想

進歩の思想というのは西洋的な社会進化思想で社会は未来に向かって良くなっていくと言うモノである。 対して伝統の思想とは東洋的な回顧主義的な思想で過去に理想を求めるモノである。 西洋でも、元々は後者の思想が主流であった。 ギリシア神話では黄金の時…

ブログについて

ブログの利点はコメントとTBによってダイレクトに反応が得られる点だが、今のところほとんど生かされていない。 そもそも、TBって何なのかよく分っていなかった。 本気で何か主張したい場合は掲示板に書き込むことにしているし。

日記とブログ

日記というのは本来人に見せるモノではない。 しかし我が国には古来から日記文学というモノがあるし、また古くから(通常は死後に)公開されることを前提として日記を書いている人間もいた。 ブログというのはリアルタイムで公開しているという点で既にいわ…

愛国心について

自民党の新憲法草案では見送られた要素の一つでした。 行き過ぎた愛国心は却って国を滅ぼすので、見送って正解かと思います。

権威と権力

天皇制は権力から切り離されたことで存続してきた。 権力者は天皇を象徴的に担ぐことで権力の正当性を得ることになる。 時に天皇の権威を狙う権力者が現れたように、天皇の側から権力を奪還しようとする動きも有った。これは”天皇御謀反”と言う奇妙な呼び方…

簒奪防止機構

象徴天皇制は昭和憲法の発明ではない。 藤原氏は中国式の簒奪という手法を取らず、天皇家を権威のみの存在とすることで自らの政治体制に正当性を持たせようとした。 父系による継承の原則はいわば藤原氏の政略的都合によって維持されたのである。 だがそこか…

万世一系と言う信仰4

天皇が政治的な権力を失い”象徴”に過ぎない存在となった後も、天皇の地位を伺う権力者が存在した。 最初の挑戦者は足利義満であった。 彼は妻を天皇の准母とし、更に息子義嗣を天皇とする計画であった。 義満の急死により足利天皇の誕生は辛くも阻止され、義…

万世一系と言う信仰3

道鏡事件の主体はあくまでも称徳女帝であったと思われる。 なぜならば、事件後に課せられた道鏡の処分が軽すぎるからである。 もしかすると道鏡は本当に徳の高い人物だったのかも知れない。 徳の高い人物が皇位を受け継ぐと言うのは中国的な発想である。対し…

万世一系と言う信仰2

日本書紀は天武朝の正統性を示すために編纂された。 ここで言う天武朝とは天武天皇から称徳女帝までの八代七人(孝謙・称徳は同一人物)の天皇を指す。 天皇家の菩提寺である泉涌寺にはこれらの天皇の位牌だけ無く、つまり祀られていないと言う。 称徳女帝の…

万世一系と言う信仰

信仰というのは危機を乗り越えることで強まるモノである。 ”天皇教”を支える「万世一系」の教義も数度の危機を経て強化された。

女性天皇と女系天皇

皇位継承問題に関して考えられるパターンは4通り。 女系も女性も認めない。 女系は認めないが女系は認める。 女系は認めるが女性は認めない。 女系も女性も認める。 私は2ないし1で有る。女系天皇は正統性を欠くが、天皇の職務は女性でも遂行可能だと考え…

二十条

信教の自由について。 靖国参拝問題で問題とされる部分である。 現行のままでも参拝には何ら問題はないと思うが、政教分離について以前より余裕を持たせた改正案になっている。 まさか連立を組む公明党への配慮でもあるまいが…。

一夫多妻制の復活

皇族という特殊な家系を離れ、広く一般庶民にまで話を拡大する。 日本社会において一夫一婦制は明治以降に西欧より取り入れられた新しい制度である。 いや、明治以降でも”二号さん”は公然と置かれ、別にとがめ立てされるような問題ではなかった。 これが非難…

天皇・皇族の人権

皇族は日本国民ではない。皇族には当たり前が、選挙権もないし職業選択の自由もない。 彼らの職務は血統という形で日本の伝統を過去から未来へ受け継ぐ事である。 その為に側室を持つべきであると言う意見が悪いだろうか。 「天皇・皇族は側室など持つべきで…

皇位継承について

憲法には皇位継承については書かれていない。それは皇室典範に別途規定される問題である。 これについては某掲示板にて現在進行形で議論中なのでまとまってから紹介したいと思うが、現段階での私の意見を述べておく。 女性天皇は容認するが、女系天皇は認め…

第一章

第一条から八条まで天皇に関する条項が続く。 順序(と表記)が多少変わっただけで、内容に変更はない。 護憲派と呼ばれる勢力は九条の改定については強硬に反対するが、天皇制を認めない共産党などがこれらの条項について放置しているのは奇妙である。

七十六条

某掲示板にて憲法改正について議論していた。 私は当初はROMっていたが、G氏より九条の改正に合わせて七十六条の2項の改正が必要であると言う意見が出された。 七十六条とは特別裁判所についての条項である。 これに対してH氏より反対意見が出された。…

九条

国家の存在意義はその構成員たる国民に豊かで安全な暮らしをもたらす事であり、その手段として国家が武装組織を持つのは当然である。 その意味で軍隊を持たない無防備国家などあり得ず、また現実問題として自衛隊という名の軍事組織を保持し続けている。

改正要綱捕捉

前回の続き。 国会より出された憲法改正の発議を承認するに際して過半数の賛成を必要とする訳ですが、これは言い換えると半数が反対すると改正されないと言うことです。 何が言いたいかというと、この際の過半数というのが投票総数の、か有権者全体かと言う…

九十六条について

自民党が作成中の新憲法草案について検討してみます。 変えるべきでないと言う意見の方はマキャベリズム2「悪しき完全主義」をお読み下さい。 消極派の方にはこの言葉を贈ります。 「時期尚早と言う者はいつまでたっても時期尚早という」川淵三郎

陰謀論

陰謀とは達成されるべき目標、およびその為の手段を相手に知らせないことである。 故に、政治とは多かれ少なかれ陰謀的であり、それ自体が称賛や非難の対象とは成らない。 陰謀を非難するモノは、単にその結果が自己の不利益を生じていることに不満を漏らし…

相克と相生

官僚の本分は既存の体制の維持にある。だから、官僚が有能で有るほど改革に抵抗する厄介な存在となる。 官僚制度が正常に機能しているときは官僚のなわばり意識は相互監視機能として働く。だが、このバランスが崩れると、責任放棄のたらい回しになるか、権益…

温暖期の思想

寒冷期に生まれた孔子の思想は温暖期にはいると否定される。 その一例が平等無差別の博愛主義を唱えた墨子の思想である。 温暖期には物資が豊富なので必然的に戦争反対論に傾く。 また、孔子の儒教と並ぶ老子の道教もやはり温暖期に生まれた。司馬遷の史記に…

食肉の禁忌

ヒンドゥーでは牛が、イスラムでは豚が、理由は真逆だが食べてはいけないモノとして規定されている。 こうした宗教上の禁忌は全く意味が無い訳ではない。

寒暖周期と思想

寒冷期にはいると、階級制度の締め付けが強くなる。だが、これが長く続くと不平不満が蓄積する。 世界の宗教のほとんどは安全弁として寒冷期に発生してくる。逆に温暖期には不平不満が少なくなるので、布教活動は実を結ばないのである。 インドに仏教が発生…

寒暖周期と男女関係

あらゆる生物は個体維持と種の維持という二つの目的を持っている。

農業の誕生

人類の歴史は地球環境に大きく左右されるが、中でも大きいのが気温の変動である。 人類社会はその歴史のほとんどを狩猟採取によって維持されてきた。 狩猟採取社会では大きな人口を維持出来ないが、労働時間はさほど必要としなかったのである。 だが次第に人…

文明の外縁

帝国の外、文明の外縁に存在した日本とドイツ。 共に民族文化を残しつつ、文明を取捨選択して取り入れている。 日本の場合には海を隔てて文明との距離感が保たれていたが、ドイツ=ゲルマン人の場合には文明化はローマ化ではなくキリスト教への改宗という形…

文明の通り道

ベトナムとイギリスを対比させる上で最大の問題点は朝鮮=フランスの第一グループとの関連性である。 イギリスはフランスを経由して文明化した為に、長くその影響下に置かれた。対してベトナムは朝鮮とは別ルートで分明と接触したため、相互に無関係に存在し…