進歩の思想と伝統の思想

 進歩の思想というのは西洋的な社会進化思想で社会は未来に向かって良くなっていくと言うモノである。
 対して伝統の思想とは東洋的な回顧主義的な思想で過去に理想を求めるモノである。
 西洋でも、元々は後者の思想が主流であった。
 ギリシア神話では黄金の時代、銀の時代、青銅の時代、鉄の時代と並ぶし、キリスト教でも失楽園と言う概念がある。
 進歩の思想というのはキリスト教に対する否定から発生している。
 つまり歴史的には伝統の思想から進歩の思想へと変化したことになる。
 だが人間と言うのは逆で、若い頃には未来に希望を抱き、年を取ると過去を懐かしむ様になる。
 実際には過去と未来のどちらが優れていると言う事はない。
 過去と未来の違いは一言で言えば人口が多いか少ないかである。従って時代が降るほど社会が複雑になる。