権威と権力

 天皇制は権力から切り離されたことで存続してきた。
 権力者は天皇を象徴的に担ぐことで権力の正当性を得ることになる。
 時に天皇の権威を狙う権力者が現れたように、天皇の側から権力を奪還しようとする動きも有った。これは”天皇御謀反”と言う奇妙な呼び方をされる。
 結果を見れば明らかなように、この試みは天皇制の価値を著しく損った。権威の根元である天皇が二人になってしまったのである。
 この南北朝問題を解決した権力者が天皇を敬わず、取って代わろうとしたのは有る意味当然であろう。