万世一系と言う信仰2

 日本書紀は天武朝の正統性を示すために編纂された。
 ここで言う天武朝とは天武天皇から称徳女帝までの八代七人(孝謙・称徳は同一人物)の天皇を指す。
 天皇家菩提寺である泉涌寺にはこれらの天皇の位牌だけ無く、つまり祀られていないと言う。
 称徳女帝の後を継いだ光仁は天智系の皇族なので、皇統が元に戻ったことになる。これは世界的にも珍しい事だろう。
 これら天武朝が弾かれた原因は開祖である天武帝の簒奪より、むしろ最後の称徳女帝の不行状に原因があるのだろう。
 女帝は天武のと言うよりも持統女帝の直系で有ると同時に藤原氏の母を持つ為に天皇に祭り上げられた有る意味で不幸な女性である。
 彼女は”愛人”の道鏡皇位禅譲することで運命に復讐しようとしたが、果たせなかった。 この簒奪未遂事件は万世一系の信仰を強化する第一の試練となった。