イタリア(1)

 イタリアの戦国時代は長い。
 西ローマ帝国が滅んで以後、イタリア半島に統一された国家は存在しなかった。
 正しくは西ローマ帝国を滅ぼしたオドアケルの王国は東ローマ帝国宗主国にイタリアに統一王国を築こうとした。だが、イタリア半島は帝国発祥の地であるだけに、唯一のローマ帝国となったビザンティン帝国としても、蛮族にそのまま支配させておく積もりは無かった。
 東帝国のイタリア奪還作戦は成功せず、その支配は半島南部が限界であった。この地域はその後もほぼ一貫して統一を保つことになる。
 問題は北部である。北の半分はフランスとドイツを併せ支配したフランク王国領となるのだが、ゲルマンの伝統による分割相続により統一王権は存在しなかった。
 結局イタリアの北半分はドイツに中心を持つ神聖ロー帝国の支配下に入る。