戦国の定義

 戦国というのは元は古代中国の一時代を指す。
 周王朝の権威が失墜してから、秦の始皇帝による統一王朝が出来るまでを春秋戦国時代と呼ぶ。春秋と戦国の分岐点は諸説有るが、西の大諸侯であった晋が家臣であった趙・韓・魏の三国に分割された時期が有力である。一言で言えば下克上と言うことになる。
 春秋は周王朝の権威がお飾りにしても存在した時代であり、戦国は其れが完全に機能しない完全な実力社会へ移行した時代だと言うことになる。これを日本に当てはめれば、春秋は六代将軍義教の暗殺に始まり、戦国の始まりは北条早雲*1による堀越公方殺害になる。
 改めて戦国時代を定義しておく。「一国の中で中央権力が空白化し、治安維持能力を喪失した状態」である。
 以前も書いたと思うが、国家の最大の任務は治安の維持と外敵の排除であると考えているので、戦国時代とは一種の無政府状態と言える。

*1:北条姓を名乗るのは二代氏綱からで、正しくは伊勢新九郎である。