難民と移民2

 最後に難民自身の問題である。 
 難民を只で受け入れるのは効率が悪い。だが、情けは人のため成らず*1と言う。流入が避けられないならば、これを如何に効率よく捌くかが重要となる。
 まず第一に難民は一カ所にまとめて住まわせて、現地民との接触を最小限にするべきである。
 現地の人間にとっては難民は厄介者であり、また難民にとって現地民は羨望の対象になる。これで事件が起きない方がおかしい。
 第二に、難民を只遊ばせて置いてはいけない。
 生産活動に駆り出すというのではなく、難民同士の共同体を形成して支援業務を手伝わせるだけでよい。社会性を維持することで社会への回帰が容易となるはずである。
 難民支援に関して、効率性を重視するのは自分たちの為ばかりではない。必ず相手のためにも成るはずである。一番拙いのはこちらの善意の押しつけによって相手の恨みを買うこと*2である。
 人間の集団は容易には均質化しない。

*1:この言葉には二通りの意味がある。一つは情けを掛けると巡り巡って自分に良い報いがあるという意味で、もう一つは情けを掛けると相手のためにならないと言う意味である。

*2:かつての日本の朝鮮支配がまさにこれであった。