アメリカの覇権と幕藩体制
アメリカの覇権体制を江戸時代の幕藩体制になぞらえた論説を見たことがある。
この対比では関ヶ原が第二次世界大戦に対応し、敗戦国である日本やドイツは薩長に比定されることになる。
あの大戦はドイツが主で日本はそれに便乗した面が強いので、ドイツが長州毛利家で日本が薩摩島津家であろう。
東側諸国はと言うと、これは豊臣恩顧の諸大名に相当する。
戦前はマルクス思想に基づく計画経済が主流であり、資本主義というのは時代遅れだと思われていたのだ。
アメリカは共産主義に対する恐怖から赤狩りを行い、ドミノ理論に基づいてベトナム戦争へ踏みだしたのである。
但し、核の抑止力により”大坂の陣”は起こらずに長く東西の冷戦状態が続いた。
その所為で大きな戦争こそ無いが、小国同士の小競り合いや内戦は尽きることがなかった。
この点が江戸時代と大きく異なる典であるが、戦争を覇権システムの維持に用いたアメリカとしても、冷戦状態の維持は望むところであっただろう。