アメリカの覇権と幕藩体制2 

 東側諸国を豊臣恩顧の大名に比定したが、ソ連=豊臣家ではない。
 豊臣家に相当するのは前の覇権国家である大英帝国である。
 英国はアメリカ=徳川家にとってまさしく「旧主家」であり、また第二次大戦によって海外植民地を失った点も一大名に落ちてしまった豊臣家に酷似している。
 英国と豊臣家の違いは、覇権の交代を素直に認め新たな覇者の下での生存を選んだ点にある。これでアメリカは覇権確立のためにうち倒すべき標的を共産陣営一本に絞ることが出来た。
 家康と秀頼の二条城での会見によって徳川と豊臣の主従関係が逆転が決定的になった。これに相当するのが英国の政権交代、保守党サッチャー政権による市場革命であろう。
 英国はヨーロッパで主流だった社会民主主義を捨て、国有企業の「民営化」を大胆に推し進めていく。
 英国はドイツとフランスが押し進めるヨーロッパ統合路線を保留しつつもアメリカとの関係強化を図っている。英国の二股外交は今に始まったことではないが、この強かさは日本も見習いたいモノである。