田中角栄と小泉純一郎

 田中角栄は今太閤と呼ばれた。そして小泉純一郎は今信長に比されている。
 角栄に起源を持つ古い自民党は公共事業によって経済を活性化する「大きな政府」的な政治手法を取っていた。
 対する小泉の政治思想は角栄のライバルだった福田赳夫より受け継がれた健全財政で、これは「小さな政府」を志向している。
 55年体制では自民党内部に共存した二つの経済思想が交互に主導権を取ることによって擬似的な政権交代を繰り返してきたのである。
 田中派の系譜は今や民主党に移り、自民党は「小さな政府」を目指す政党へと移行している。
 民主党が「大きな政府」を主張してくれればすっきりした二大政党制が確立するのだが。