継承戦争

 土地などの不動産は分割相続が可能であるが、遺産の中には分割できないモノもある。その際たるモノが、家督と呼ばれる家長の座である。家長が王である場合にはその相続争いはより熾烈なモノとなる。
 本家に跡継ぎが居る場合にはまだしも、居なくなった場合は一悶着起きる。
 分家の間で誰が本家に一番近いかでもめる訳だが、女系継承が認められていると更に厄介なことになる。
 話し合いでまとまらない場合には実力行使と言うことになる。西洋ではこうした継承戦争が幾度と無く起こっている。
 日本でもこの手の騒動は存在した。
 天皇家の継承戦争には確実なモノとしては壬申の乱南北朝動乱がある。継体天皇の即位や崇峻天皇の暗殺事件も恐らくは継承戦争の類で有ろう。
 そして日本史上最大の継承戦争と言えるのが応仁の大乱である。そして実質的に最後と言って良い。戦国時代にはもはや血統による正統性は問われなくなったし、江戸時代の御家騒動というのは結局のところは家臣の権力闘争に過ぎない。