北朝鮮・続

 拉致問題の解決は北朝鮮問題の終点ではない。
 対北朝鮮問題の目標はその軍事的脅威を取り除くことにある。
 その最終目標達成のために独裁体制を打破すべきか、それとも維持すべきなのか。そこが問題となる。
 拉致されたとされる人々は、彼らの説明では死んだことにされている。これが覆って生きていましたとなると、金政権の信頼は(そんなモノが有るとすればだが)、がた落ちになる。
 拉致被害者の奪還が果たされたとき、金政権は崩壊するかも知れない。
 崩壊させて構わないと言うのなら良いのだが、当面は維持すべきと言うことになると、拉致問題の解決が更に面倒なことになる。
 拉致被害者を取り返す事を優先するなら、昔、森総理が漏らした「第三国での発見」という非常手段も考慮されるべきであった。
 しかし、今となってはこの手は使えないだろう。もう少し慎重に動いて欲しかったものだ。