平和的鎖国

 そして平和とはどういう状況かと言えば他国と戦争状態に無いことである。
 これには二通りの方向があって、一つは手強いから誰も戦争を仕掛けてこない(ローマの平和に代表される)大国の平和、もう一つは他国との接触を一切断つ”鎖国”である。
 鎖国を維持するには条件が有る。
 一つは自給自足が可能なこと。これが出来なければそもそも成り立たない。
 もう一つは(これがより重要なのだが)他国から攻められないことである。
 これは戦争を仕掛けて得られる利益とそれに掛かる損害によって決まる。
 江戸初期は日本を攻められる国がそもそも無かった。そして幕末でも日本を攻め取れるほどの軍事力を持つ国は無かった。
 では何故日本は開国したのか。
 人口増加により自給自足経済が限界に来ていたからである。