封建論

 江戸は封建制社会であった。
 この「封建」というのは君主が功臣に領地を与えて委任統治させる制度であって、主義思想ではない。
 実は封建制度を経験した社会だけが次の資本主義社会を構築できるのである。
 江戸時代の日本は実際に高度な資本主義社会を形成していた。
 だからこそ開国後速やかに西欧列強と肩を並べる近代国家へと変貌できたのである。

 マルクスの理論は部分的には正しかった。
 彼の錯誤は資本主義社会から社会主義を経由して(西側諸国はこの段階で引き返している)共産主義社会へと移行すると言う部分であった。
 実際に共産化したのは封建制も資本主義も経験していないロシアやシナであった。