戦争の効用論

つまり戦争を前提とした社会システムはいずれ破綻する筈なのだが…。

 昨日の、この疑問について考えてみた。
 解答その1 人類社会は(気付いていないだけで)徐々に滅亡へと近づいている。
 戦争は局地的に人口を減らしてはいるが、総体としては人類は増え続けている。人類全体を巻き込んだ、全面核戦争のようなモノが起これば人類の滅亡を引き起こすであろう。
 だが、戦争以外を原因とする環境破壊でも同様の結果が起こるであろうし、むしろその方が可能性としては高そうである。
 また、環境破壊の要因の一つが人口爆発であることを考えると、戦争によって生じる人口減少はむしろ環境に優しいかも知れない。

 解答その2 戦争のない時(要するに平和なとき)のプラスが、戦時のマイナスをうち消して余りあるモノであるので、結果として人類は繁栄を続けている。
 これでは戦争が無くならない理由が説明できない。

 解答その3 戦争には「見えない」効果が有って人類社会の繁栄に寄与している。
 感情的には受け容れ難い。
 だが戦争にも効用はある。(総体的にプラスになるかと言うとそこまでは行かないが)

  1. 淘汰機能 戦争は人口調整機能を有する。より正確には人口が増えすぎると利益調整機能が限界に達し、その精算として戦争が起きる。
  2. 社会制度の更新 戦争は社会制度を劇的に変化させる。国家間の紛争は戦争と言うが、階級間の紛争は革命と呼ばれる。
  3. 技術の革新 戦争は技術革新をもたらす。我々の生活を支えている様々な先進技術は戦争によって生まれた技術の民間転用である。