途上国の人口問題

 途上国の人口分布が「ピラミッド型」を取る、と言う話は以前にしたと思う。
 この状態は高い出生率と高い死亡率によって生じる。
 経済発展に伴って医療水準も上昇し、まず死亡率が下がる。その後に社会が安定して出生率も追従して下がってくる筈である。
 ところが、先進国の援助によって死亡率が急激に下げられた場合には、出生率の追従が生じ無いために人口爆発を引き起こす。
 善意の支援が却って混乱を引き起こすと言うこともあるのだ。
 途上国が抱える飢餓や高い幼児死亡率に目を奪われると、食料や医療と言った一見して即効性のある支援に走りがちになるが、それでは貧困という根本的な問題は解決しないのである。