貨幣発行自由化論

 政府が独占している貨幣の発行権を民間銀行へ移管しようと言う発想である。
 貨幣というのは元々国家とは無関係に発生したモノであり、これが国家主権の一部であるというのは迷信に過ぎない。
 欧州連合の通貨統合は国家主義的な迷信を打破したモノであるが、残念ながらリバタニアンが重要視する競争という概念が抜け落ちている。
 現在国内で流通している円は「日本銀行券」のみであるが、これが自由化により「東京三菱銀行券」とか「三井住友銀行券」等々が流通することになる。
 この施策は、一つには巨大化する国家財政の抑制を意図している。今でも日銀は政府から独立してはいるが、その政策方針から全く自由とは言えない。
 もう一つは民間銀行の自由競争によりインフレやデフレを防げると言う点である。

 貨幣の多様性という点を考慮すると、ウェブマネーがこれに該当するのではないか。
 ネット決済の浸透と共に貨幣それ自体が意味を失っていくかも知れない。