司法の民営化

 私自身、かなりラディカルな民営化推進論者であるが、それでも政府の役割については一定の評価を与えている。
 官営でなければ拙い分野というのは確かにある。
 軍事については少し触れたので、今回は司法制度について考察してみたい。
 無政府資本主義者は司法制度の民営化も可能だと主張する。
 これを「代替的紛争解決」サービス、略してADRサービスと呼ぶ。
 これは言い方が悪いが、要するにトラブルを金で解決すると言うことだ。
 金で解決できるならそれに越したことはないと思うが、世の中にはそれでは済まない事柄というのもある。
 最悪なのが当事者双方がこの手の処理業者を繰り出して戦争状態に陥ることであろう。
 軍事についての稿でも書いたが、個人レベルでの自衛武装を認めるのは偶発事故の危険性が大きすぎる。