末子相続考

 少子高齢化社会への対策として末子相続の復古を考えてみたい。 
 農耕社会では分け与えられるべき最大の財産は農地=即ち不動産であるので、生前分与は難しかった。親の遺産はの残った子供の内最も強いモノ、おそらくは最年長者が、の裁量に委ねられることになる。
 対して財産が動産である非農耕(非定住)社会では、年長者が成人すると財産分与を受けて順次独立していく事になるので、最年少の子供が最後に残って親の遺産を受け継ぐ事になる。
 結果として末子相続に落ち着く。
 このシステムの背景には未発達な医学による死亡率の高さがある。つまり、成人まで成長する子供が多くなかったし、親の方も老後の面倒が生じる前に亡くなってしまう。
 さて少子高齢化社会では財産分与を受けるべき子供が少ないので生前分与は合理的である。子供達に財産を分与した後、残りの保険会社に委託して運用させるのである。