秀吉とナポレオン

 昔、某所へ投稿したモノの焼き直しです。

  • 共通点

時代の波に乗っての創業と、二代目への継承という守成の失敗。
自国の覇権から、外征へと進むのは英雄の本能というか歴史の必然で、二人だけに繋がる共通点とは言えませんね。
自国民からの絶大な人気と隣国民からの悪口雑言と言う、如何にも英雄らしい両雄です。
糟糠の妻との間に子供が居ればと思わせる点も共通していますが、若い頃は戦に明け暮れていてその暇がなかったと言うのが実情でしょう。
絶頂期には自分の死んだ後など考えないのが人間と言うモノですから。

  • 相違点

生きている間は権力を維持出来た秀吉に対して、ナポレオンは流刑地で死を迎えたと言う点でしょう。
二度と再興されなかった豊臣家に対して、ボナパルト家第二帝政で復活を遂げている。
これは秀吉の後を継いだのが家康という、信長・秀吉路線の延長上にある人物なのに対して、ナポレオンの場合はブルボン王朝の復活という完全な保守反動だったという点が大きいです。
ついでに言えば、日本は島国という利点から他国からの干渉が排除できたのに、フランスは隣接国との均衡が必要不可欠でした。
秀吉は主君信長の横死によってたまたま頂点に立ったのに対して、ナポレオンは無能な政府を打ち倒して権力を手にしています。
信長が本能寺で討たれなければ、秀吉は一部将として生涯を終えたでしょう。
しかし、ナポレオンが一介の将軍として生涯を終えることが出来たとは思えませんね。