市民兵と傭兵

 戦争はいつから悪になったのだろう。
 かつて、兵役は自由民の義務であり名誉であった。彼らは戦争より発生する利害を直接被っていた。
 一方、無産階級は戦争にかり出されることはなかった。
 ある日突然に彼らは市民権を与えられ、その代償として武器を取ることを強要されたのである。
 戦争に敗れた国は滅びる。
 一方、勝った国は豊かになる。国が富むと、市民の中に格差が生まれる。
 国民皆兵の原則は崩れ、国家の防衛は傭兵の手に委ねられる。
 歴史は繰り返す。