制度としての独裁

 民主制度は手続きに時間が掛かる。その為、非常時には判断が間に合わないこともある。
 共和制ローマではこれを回避するために一定の期限を設けて独裁官を選出した。
 これは有る特定の問題に解決のために選ばれるモノで、その解決と同時に解任される決まりである。
 独裁がすべて悪いわけではない。国家存亡の危機に際しては、独裁を制度として受け容れるべきである。
 但し、条件がある。
 独裁官の権限は国体には及ばない。要するに憲法のような根元的な法を変えることは認められない。
 任期や解任条件をあらかじめ設定しておき、それを変更することも認められない。
 またこれは必須ではないが、再任も認めない方がよい。(この様な絶対的な地位を長く勤めると慣習化する可能性が大きいので)