共産主義と国家社会主義

 共産主義は国際連携を建前としていたのに対して、国家社会主義(いわゆるファシズム)は一国主義を全面に出していた。
 だがこの両者は本質的に同じモノである。
 前者を支持するのは最下層の労働者階級であり、後者は中産階級にその支持を広げた。
 産業化の進んでいたドイツでは中産階級の支持を集めた国家社会主義労働党(つまりナチス)が政権を取った。
 共産主義が台頭した国家とは中産階級が十分に育っていなかった遅れた社会と言うことが言える。
 共産主義国家ではすべての私有財産が国家に接収されるが、ナチス政権下のドイツでは主要産業は国有化され無かった。
 それは彼らを支持基盤として取り込む必要があったからだが、それだけで国家の経済をコントロール出来たと言う面もある。
 ユダヤ人差別政策は彼らの財産を取り上げる事が出来て一石二鳥だったのではないか。